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2014年9月2日火曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.260

作文と読解の力はなにも
小学生だけがコツコツと
身につけていく能力ではなく


大人こそが、生涯かけて
維持さらに磨きをかけてゆく
力とも考えられます。


そこで自身はいつも


ゆっくりと苔むすように
文章の力を人生のともに
している先達の話に
ふれるようにしています。


どこで、そのような
人や文に出会うか?

出版社が書店にて
こじんまりと配布している
読書人のための冊子

その本だらけの誌面で
パタリと出くわします。

岩波書店なら 『図書』
新潮社なら 『波』
講談社は 『本』
紀伊國屋書店なら 『scripta』

などなど、定価はあるけど
書店員さんに声をかければ
無料でいただける雑誌です。

それらの雑誌、じつは
苔むすような文章の宝庫。

有名な作家によらない

読書好きが読書好きに書いた
思わず涙が流れてしまうような
キラリと光る名文に

ふとした拍子に出会う
確率がとても高いのです。

今日もちょうどお昼前
9月の新刊でも目をとおして
おこうと思い手にした

岩波書店 『図書』
2014年9月号で
苔むす名文に出会い

不覚にも昼間から涙が
滲んでしまいました。

無断掲載になってしまうので
全文はご紹介できないのが
とても悔しいところ。

名文の一部を抜粋して
お伝えいたします。

ビジネスリーダーが
薦める岩波文庫 1

櫻井 修 氏
さくらい おさむ
三井住友信託銀行
特別顧問

日本語の美しさに圧倒された

いつ召集令状が来ても
おかしくない状況の中
自分の人生とは何なのか
寮の部屋で友人たちと
徹夜で語り、議論をした。

やがて友人ひとりに召集令状が来た。
またひとり、またひとり……。
明日入隊、シャバで過ごすのは
今夜限りという最後の時間
彼らは読み残した本を読み
「先に行くよ」と言って入隊していった。

私も、読書家の友人たちが残していった
本をむさぼるように読んだ。
地獄のような現実、残り少ない時間の中で
本を読んでいる時間だけが
「生きている」ことを実感できた。

『にごりえ・たけくらべ』は
明治初期の江戸庶民の哀歓を
美しい日本語でパーフェクトに
表現していた。

「これが俺の育った日本だ」と、
焼け野原の東京を前に、涙が溢れた

全文でないのが、本当に残念。

書店に足を運んでいただき
『図書』 9月号を手にして欲しい
そんな文章です。

櫻井氏は、ほかに 『いきの構造』と
『山月記・李陵』 をあげて

いまの若い人たちに
日本語の美しさに目覚めてくれればと
短い紙幅で語っています。

読書は人と人とを、言葉と言葉を
そして人と言葉を、時間を超えて
つなげる静かな力があると

あらためて確信するに至りました。

自身は、やはり読書とは人にとって
必要な「理想(主義)」を現実に据える
大事な時間と、そう考えています。

その時間を、自ら手にする力が
本当に必要な読解力かもしれません。

ちなみに、岩波は好きではありません


http://gakudou.kankendo.com


国語の学童 よみかきのもり  公式HP



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gakudou@kankendo.com


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