作文を書くとき
まとまった文章を
読解するとき
また育児の時間で交わす
会話で肝となるのは名詞。
ふだんは◯◯の名、程度で
あまり意識しませんが
じつは文章の骨格をなす
とても大事な要素です。
その名詞の存在感を
存分に味わうことのできる
詩を、漢詩からご紹介します。
四時読書楽
しじどくしょのたのしみ
と題された朱熹の詩です。
冒頭の四文
山光照檻水繞廊
さんこうかんをてらして
みずろうをめぐる
舞ウ歸詠春花香
※ウ(あまひき)
ぶうきえいすれば
しゅんかかんばし
好鳥枝頭亦朋友
こうちょうしとう
またほうゆう
落花水面皆文章
らっかすいめん
みなぶんしょう
意味です。
輝く春の山がてすりを照らして
きらめく水流が廊をめぐる
天に祈る高いところから
詩を詠みながら帰ってくれば
春の花は香ばしく
よい声で歌う百千鳥も
また友のようでいて
水面に落ちた花もすべて
自然の文章を成している
と、おおよそこのような
内容を、詩っています。
白文(原漢文)を眺めると
名詞の総出演。ものの羅列
といっても過言ではありません。
でも、ただ名詞を
つなげただけではない
瑞々しいばかりの意味が
感じられます。
名詞のたった一語でも
ひとつの文に相応しい
ほどの情報を含んでいる。
そう捉えることができます。
名詞のもつ奥深い表現力。
文章でこの底知れない力を
生かさない手はありません。
ですが、現代口語日本語で
この名詞の力を活かせるか
というと、ことは単純では
ないような気がします。
一語でひとつの文に
相応しほどの情報を
含んでいる名詞がない
というよりは
文章の書き手、受け手に
名詞に情報を込める能力
名詞から情報を豊かに
引き出す能力が薄れている。
そう感じられるのです。
ひとつには自身も含め
日常使っている
現代口語日本語で
名詞を蔑ろにしてきた
結果かもしれません。
どのように名詞を
蔑ろにしてきたか
これからゆっくり考えて
いきたいと思います
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