作文を上手く書くには
いったいなにが必要なの?
育児など家庭で
身につくものなの?
子どもの作文に接して
また大人が自分の過去を
振り返っても出てくる
ごくごく小さいながらも
いつもどこかで感じる疑問です。
この疑問に答えは、あります。
まるごと感じて
まるごと書き込む。
これが答えになります。
まずは、身近な大人が
やる気だのモチベーションだの
課題だの論理的思考などと
人の動きを分析したような
「動きのない」発想からいちど
すっぱりと離れてしまいます。
とくに巷間流通している
心理学的な心の解釈による
コーチングなどは
作文を書くというところから
眺めると、余計なおせっかい
の部類に入ってきます。
身近な大人が安易に
作文の場に持ち込まない
ようにします。
まるごと感じて
まるごと書き込む
が、内容もさることながら
詩そのものからも
感じられる作品を
中原中也からご紹介します。
春宵感懐
雨が、あがって 風が吹く。
雲が、流れる、月かくす。
みなさん、今夜は、春の宵。
なまあつたかい、風が吹く。
なんだか、深い、溜息が、
なんだかはるかな、幻想が、
湧くけど、それは、掴めない。
誰にも、それは、語れない。
誰にも、それは、語れない
ことだけれども、それこそが、
いのちだろうぢやないですか、
けれども、それは、示(あ)かせない……
かくて、人間、ひとりびとり、
こころで感じて、顔見合せれば
につこり笑うといふほどの
ことして、一生、過ぎるんですねえ
雨が、あがって 風が吹く。
雲が、流れる、月かくす。
みなさん、今夜は、春の宵。
なまあつたかい、風が吹く。
『在りし日の歌』
第4連は―
子どもと身近な大人が
過ごしているときに
ちらりとでてくる
風景のように感じます。
この風景を見過ごしていると
作文が書けない、どうやったら
書けるのかと迷いつづける
ことになるように思います。
作文とは、残念ながら
これが完成形というものが
とても希薄な行為です。
さらに目的に囚われると
上手く書けても書いている本人が
ちっとも楽しくなくなるという
正直な行為でもあります。
計画、実行、評価、改善。
各時点での報告、相談。
そしてコミュニケーション。
目標―達成、そして目標―達成。
作文は、およそ事業目標の達成
のような明確な目的意識とその
実践とは相容れないものです。
身近な大人が、目的意識を
作文に持ち込まないようにします。
翻って―
まずは、身近な大人が
まるごと感じて
まるごと書き込む
を、子どもと楽しむ。
これが、どうしたら
作文が上手に書けるの?
の小さな答えになります
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