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2014年5月30日金曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.191

作文と育児について
漢意のようにちょっと
説教染みたお話です。


作文を好きになる
心持ちがふたつあります。


ひとつめは―


言葉がなにを伝えるか
ゆっくりじっくりと
確かめる心持ちです。


ふたつめは―


ひとつめをすることで
自分のアタマのなかに
あったものが


なんだったのか
ゆっくりと知る
という心持ちです。


この心持ちによって

言葉を介して日常と
ちょっとした距離を
とれるようになると

さらに、作文が
楽しくなってきます。

話はかなり逸れますが

作文を書くにあたって
因果や天命の思考で

出来事を説明していくのは
なるべく控えたほうが

読み手の楽しむ余地が
ぐっと大きくなってきます


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gakudou@kankendo.com

2014年5月29日木曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.190

作文の上手な
書き方にも通じる


育児の時間に
子どもに教える
こともできる


お話の伝え方
レポートの書き方を
4つのステップで
お伝えします


STEP1
3つあげる

伝えたいことを
単語にして3つ挙げます


STEP2
単語の1つを文章にする

思いきって1つを選んで
選んだ理由を文で綴ります


STEP3
図や画を描く
選び文章にした単語を
簡単な画にします

STEP4
自分の思考を観察する
3つの単語、1つの文章
そして1枚の画を眺めながら
自分の頭に浮かんでくる
考えを観察します

なにやら難しく感じますが

育児の時間のなかで
子どもと会話しながら
習慣づけることもできます

問いかけ その1
「ほしいもの3つ教えて?」

問いかけ その2
「どれかひとつだけっていったら?」

問いかけ その3
「それどこにあるか書いてくれる?」

問いかけ その4
「どんなモノなの?画に描いてよ」

問いかけ その5
「買ってもらったらどうするの?」

と、順を追うようにゆっくりと
子どもへ問いかけていきます。

コツは、問い詰めるのではなく
一緒にワクワクしながら問い
かつ神妙に聞いていくこと。

子どもが、「また3つ?」
という顔をするようになったら
しめたものです。

レポートや作文の基礎力は

身近な大人とかわす
ふだんの会話によって

自然と身につける
ことがきます


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2014年5月28日水曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.189

作文とともに読解力をつける
本の読み方を、育児の時間で
子どもといっしょに実現する
具体的なステップをお伝えします


STEP1
本のタイトルを眺める

ことばを丸ごと受けとめます


STEP2
目次を読む

ことばを声に出して読みます


STEP3
カバー、表紙のビジュアルを楽しむ
ことばから離れます

STEP4
読み進める自分の思考と
感覚を観察する
ことばに触れているときの
自分の思考をも読み込みます

STEP5
本がどういうお弁当だったかを感じる
盛られている好物の惣菜ひとつで
お弁当の味を思い出すように
ことばひとつで、読んだ本を表現します

書籍の読解力での
基本は、大きくふたつ

ひとつ

ことば<タイトル>を受けとめて
本をことば<ひと言>で表現する

ふたつ

その<ひと言>を、本を読んでいる
自分の思考を読みながら抽出する

この2点に、集約されます。

書籍の読解力が身についていると
感想文は、<ひと言>で済みます。

それでは、身も蓋もないので
自分の思考を読んだ“感想”を
簡潔に文章へと変えていきます。

ともあれ、育児の時間で
子どもの読解力をつけるには

まずは、身近な大人が
子どもの前で、読書を
楽しんでいる姿を見せる

これが究極のSTEPになります


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2014年5月27日火曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.188

作文の上達を育児の時間で
子どもといっしょに実現する
具体的なステップをお伝えします


STEP1
おしゃべりを楽しむ
この時間でことばの交換をします


STEP2
簡単に書けるテーマをみつける
ことばが進む話題に気づきます


STEP3
込み入った話は、おしゃべりに譲る
ことばが文になる話
文になりにくい話を見極めます

STEP4
単語を3つ挙げる。会話を文章にする
ことばを単純にしながら
会話を整理します

STEP5
この日は寝てしまい、翌朝に書き出す
ことばへの余計な感情を
削いでしまいます

コツは、大人の
判断保留にあります。

作文は判断の場ではなく
疑問を表に出す時間です。

子どもの疑問や
当然、大人の疑問も

やんわりと判断を
保留していきます。

あわせて、子どもの疑問を
紙数の限られた作文のなかで

むりやりに解決しないように
大人が心がけます。

疑問は疑問のまま
疑問にまつわる事象と
心象について

文章を、重ねていきます。

育児のなかで行う作文は

子どもが抱く疑問の
核心を救済しながら

大人が安易に施す
一切の予断を根こそぎに
するところにこそ

その醍醐味があります


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2014年5月26日月曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.187

作文の目的は?
育児はどうしてするの?
と、唐突に問われると


作文では―
宿題・課題だから


育児では当然―
子どもがいるから


おおよそ、そのような
答えになると思います。


この作文と育児。


専門性がなくても
こなすことができます。


むしろ専門的だと
いろいろとわずらわしく


もっと単純に、簡単に
できそうなものなのに?


と面倒な印象が
つきまといます。


この印象はとても正しく

作文と育児にとって
専門性の重要度は
とても低いものになります。

作文と育児に必要なのは

自分にとって大事な知識を
どのように取ってくるか?

その取ってきた
知識をどう使うか?

大きくこの2つです。

どう取るか
どう使うかが
重要であって

知識自体の内容は
二の次ですので

学校教育で実施される
評価の軸が、もっとも
不得手とする領域です。

さらに、知識を
取るも使うも
手探りゆえに

作文と育児は

まったく新しい
答え(知識)を
見つけることがある
魅力的な領域です。

必要に迫れての
作文や育児から

子どもと大人で
「手探り」を楽しむ
作文と育児へ。

10年後、大学の
完全な全入時代でも

子どもが知識とともに
「やりがい」を伸ばしていく

この環境を、いまから
家庭で準備していくことが
必要だと、そう思われます


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2014年5月24日土曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.186

作文の技術力が
伸びる背景に


育児の時間で
培った落書きが
関与している
ことがあります。


作文は―
取材をしているときが
なによりも楽しい


作文を書くことが
習慣になってくると
子どもも題材に
こだわってきます。


しだいにスケッチを
するようになります。


メモ書きで
ポンチ絵で
カメラに収めて
などなど

大人も顔負けの
取材力を身に
つけいきます。

とくにカメラは
子どもの視線が

ばっちりと
残されているので

物事に対する
子どもの切り口が
見えてきて

いろいろと
感心させられます。

この子どもの取材力。

幼児のころから
親しんできた
落書きの力が

カタチをかえて
発揮されている
とも考えられます。

なにより取材を支えるのは
手早く、闊達な筆さばき。

捉え感じたことを
いかにその場で
表現してしまうか。

まさに落書きそのものです。

作文も含めた
子どもの表現力と
その成長を考えた場合

幼児のころの画は
完成度よりもむしろ

いきいきとした
筆遣いを褒めていくのが
いいかもしれません


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2014年5月23日金曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.185

作文を書いている子ども
育児でともに過ごす子ども


いつの間にか
びっくりするほど
成長している姿を
見せることがあります。


手習いをはじめて
1年後や2年後に
「成長したね」という
話ではありません。


昨日までは、まったく
といっていいほど
要領を得ていないような
姿を見せていたのに


今日になってみると
あたかも数年前から
出来ていたかのように
さっと仕上げていく。


シュンペーターの
非連続的な変化そして
断続的な成長とは
このことか

とも思える子どもの
飛躍的な成長です。

この瞬間に立ち会えると

変化もしていないこちらが
まるでぐんと成長したような
気になってくるから不思議です。

そんな浮かれた
気持ちを瞬く間に
打ち消してしまう

もはや子どものようには
突然の飛躍が望めない
大人の悲しい現実。

こちらは成熟の語を
じっくり磨いていければと

子どもの成長を前にして
静かに感じています


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2014年5月22日木曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.184

作文は人の声を書く
育児は人の声を重ねる


どちらも人の声が
時間の核となります。


時間を記録する
とても便利な
道具でもある


youtubeなどの
動画を閲覧すると


画面に流れる
出来事に目を
奪われながらも


被写体の声


そして
なによりも
画面に映らない
撮影者の声に


耳が集中している
ときがあります。


試しに音を消して
再度、同じ画像を
閲覧すると

どことなく
人の声の記憶を頼りに
画像をなぞっている
自分を感じます。

気のせいかも
しれませんが

ふだんから
人の声を軸に
出来事を
記憶している。

そうも思えてきます。

思い込みは承知で
人の声と出来事の記憶を

作文と育児でゆっくり
観察していきたいと
考えています


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2014年5月21日水曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.183

作文と賢者。
育児と賢者。


賢者というと
なにやら凄い人物
のようですが


ここでいう賢者とは


自分の時間を
余すことなく
引き受けている人間が
そのままで賢者になる


そのような意味での
賢者をいいます。


作文と育児の
高い高い理想は

子どもも大人も

自分の時間を
余すことなく
引き受け

そのままで
賢者である姿を

言葉にかえ伝えていく
ことではないかと
感じています。

とはいえ

高い理想を
唱えたところで

どこか絵空事を
念じているような
一抹の虚しさが残る。

だからといって
状況に塗れていても
何も見えて来ない。

そのもどかしさを

肯定と否定を超えた
観察眼で乗り越える
ことができればと

大人も巻き込んだ
子どもどうしの
騒動を前にして

そう、思っています


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2014年5月20日火曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.182

作文と育児の時間で
子どもと接するとき


子どもと大人では
同じ知識に対して
違う役割をもつことに

注意を払っています。


子どもにとっては
知識は、本人にとって
おおよそ新しい
知識となります。


大人にとっては
もちろん新たに出会う
知識もありますが


どれも、ほぼすでに
手にしたことのある
知識になります。


子どもにとって
知識とは、どれもが
まだ組み合わされた
ことのない新しいピース。

ですので
気持ちいいように
吸収していきます。

一方で、大人の知識は
使い古したもの。
もはや吸収という
感じはありません。

ですが、このままだと
子どもと大人の間で
知識の役割に対する
圧倒的なギャップが
生じます。

このギャップが
どことなく子どもに
感づかれ

ともにいる時間が
よそよそしいものへと
なっていってしまいます。

そこで―

大人にとって知識とは
意外なところにも
ハマるかもしれない
見慣れたピースと考え

子どもといる時間を使い
手にしている知識の
組み合わせを、真剣に
考えていきます。

大人がこの作業を
丁寧につづけることで

子どもの知識への意欲が
静かに高まっていきます


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2014年5月19日月曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.181

作文で、育児で言葉を
重ねることによって


状況を見極めながらも
その状況に巻き込まれない


そんな自分と状況との間に


ひと呼吸できるような
距離が生まれてきます。


さらに、本を読み


言葉の面白さと
自分の言葉にはない
凄さを感じることで


勝ち負けの判断そして
損得の勘定に立つ前の


どこか座りのいい
場所が現れてきます。


この呼吸と佇まいを
重ねていくことで

いつしか、静かに
モノを考えるクセが
ついていることに

ハッと気づくときが
訪れます。

言葉、言葉と
時間ばかりかかり

なにを暢気なとも
見られがちですが

実際に
考えているときは

暢気な気分に近い
朗らかな表情が

顔に現れてきます。

3人の男児を
育てるようになり

自分の表情がこわばり
はじめたかなと感じると

言葉を丁寧に重ねる
原点へと戻るように
意識しています


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2014年5月18日日曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.180

作文が育児の時間のなかで
子どもにとって、徐々に
身近なものになってくると


大人とする何気ない会話に
「◯◯ってことなんだよね」

と、疑問なのか? 確認なのか?
それとも、念押しなのか?


頭のなかで、何かが何かと
つながったかのような
言葉をポロリと出してきます。


子どもが、いつまでも
この曖昧模糊とした状態を
飽きずに楽しんでくれたらと

考えているのですが
そうするためには
どうしたらよいか?

ほとほと悩んでいます。

はっきりと応答するも

子どものなかにもやもやは
残り続け、本人は気づくと
同じことを考えている。

このような関係が
つづくコツを
いま、ゆっくりと
探しています


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2014年5月17日土曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.179

作文と育児の時間で
「座る」はとても重要な
ことのはじまりです。


子どもと大人が
ともに座ると


しだいに、小さな声が
いちばん心地よく
届くようになります。


作文を書くとき
絵本を読むとき
は、もちろん


美術館で絵を
楽しむときこそ


大人が子どもと一緒に
作品の前で座ると
味わいがぐっと
深くなります。


半券に印刷されている
作品を観とかなければ
どうも元が取れない。

そんな7階催事場で
ご当地ラーメンを
肩をすぼめて
味わうような
鑑賞から離れて

イスやベンチのある
また、ステップに座って
眺められる作品を選び

子どもとコソコソ
話して楽しみます。

パリ市立近代美術館は
室内の段差に腰掛け
両手に顎を載せ

まるで多摩川の土手から
富士山を眺めているように
作品を鑑賞できる美術館。

アンリ・マチスに圧倒され
あしげく通いゆっくりと仕込んだ
座って味わうを、もっと

家のなかでも外でも
子どもと楽しんでいければ
と、思っています


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2014年5月16日金曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.178

作文と育児で
無防備に「本物」という
言葉を招き入れると


気がつかないうちに
身動きがとれなくなる
ことがあります。


「本物」が唯一ではなく


2番手、3番手、4番手の
お膳立てがあって、はじめて
登場する「本物」を


楽しみの材料にできる
遠回りが、作文と子育てに
心の余裕を生みます。


ルーブル美術館の
『モナ・リザ』を
唯一の本物と鑑賞するか

活躍できる3番手とは
いかほどの実力の
持ち主なのか?

として、楽しむのでは
その先に待つ喜びの深度が
かなり違ってきます。

「子どもに本物を」から
「面白がる時間を」へと

視点を移すことで
大人もゆっくりと
過ごすごとができます


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2014年5月15日木曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.177

作文と育児の時間では


理論を試してみたり
コンコンと解説してみたり


あげく持論を弁護したり
することよりも


つぎつぎ出てくる
子どもとの関係から

言葉を紡ぎだして


その産物を子どもと
いっしょに並べていく
ことに力を注いでいます。


ですので、一貫性が
あるかないかの尺度から
大きくハズレていきながらも

子どもが好む
思考と感覚を動員して
闊達さのなかで
作文をカタチにしていきます。

子どもの真面目な思いが
読んでニッコリできる
作文になっていたら

それが大成功と呼べる
最大の成果物となります。

子どもが満足顔をしている
そのとき、大人の頭のなかに

高尾山の1号路を
おりてくるときのような

膝が笑ってしまう疲労が
残っていたら、大人の参加も
成功しています。

作文と育児の精確な指標は
大人が味わう疲れの質から
つくれるかもしれません


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2014年5月14日水曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.176

作文に悩まない
とても単純なコツが
あります。


日々の育児でも
子どもが得意としている


「やりたいことだけする」
を、存分に活用した


書きたいところだけ
書いて済ます!


という横着を地で行く
一見、ぶっきらぼうな
作文のコツです。


はじめて自分で
ホットケーキを焼いた
そんなドキドキの体験談を

作文で書く場合


いちばん書きたいところが
ホットケーキミックスを
溶くところであったなら


―ボールには、たまごが
割ってあります。


から、作文を書き始めます。


タイトルは
「ホットケーキミックス」
とズバリのものにします。

冒頭からつづけて

はじめて知るダマの存在。
かなり曖昧なダマの善悪。

について感じたことを
書き連ねてしまえば

作文の9割は完了です。

ただ、ここでニッコリ
仕上げてしまうと

作文が、自分の感想で
終わっているという

読み手の読後感を
放り投げたものに
なってしまいます。

原稿用紙の残り1割で

中火に温めた
フライパンへと
視線を移し

―さあ、これから
焼きに入ります。

の一文で作文を締めます。

焼きのシーンは
あっさりと読者に
譲ってしまいます。

やりたいことだけやって
あとは人に任せてしまう。

子どもの得意中の得意を

作文を進める際に、ぜひ
活かしてみてください。

わが家に、いつもより
楽しい作文の時間が
訪れます


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2014年5月13日火曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.175

作文で白紙の原稿用紙を
前にしているとき


育児で子どもの声が
どこか耳に残っているとき


忘れたころにやってくる
小さな感嘆があります。


その驚きとは―


子どもも大人も


かつて一度も
書かれたことのない声で
毎日、語っている


という素朴といえば
とても素朴な驚きです。


ひょっとして
大人に関しては


書かれた文字を
どこかで記憶していて


その音を声に
出しているのかも?
とも思われますが


こと日常の会話に関しては
まさか、声に出すことを
前日にすべて書き出して

きっちりとなぞりながら
しゃべる人は、おそらく
稀なはずですから

やはり、かつて一度も
書かれたことない声で
日々、語っています。

子どもの会話でも

頭の中にあるだろう
文字を音に出すことで
交わしている割合は

それを目的としたような
遊びや学習の時間のほかは
ほとんど少ないと思われます。

かつて一度も
書かれたことのない声が
あふれている日常。

と、考えると
書きがいもあり
話しがいもあるように
感じられる

そんな驚きもあります


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2014年5月12日月曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.174

作文でも育児でも
子どもを導くという


心持ちから離れて
久しくなります。


抽象的になりますが


子どもとの関係に
どこからか機能を
持ち込んで


機能の要求どおり
動かしていくことから


子どもとの間に
日々生じる
新しい関係を


関係そのものの中より
どんどん派生させていく
やり方へと変えて


かなりの時間が
過ぎています。


混沌が蔓延するかも?
という懸念は

いまのところ杞憂と
なっています。

多種多様に変化する関係に
扇の要のような点を定め
そこへ、必ず言葉を据える。

関係がばさばさと
広がっていくに
任せながらも

扇の要に子どもと大人で
言葉を重ねていく感じです。

すると、言葉がどこかで
求心性をもつらしく

まったくの混沌は
生じないようです。

とはいえ
いいことばかりでもなく

まるで、最初はグー!
ジャンケンポン! を

子どもと延々に
つづけているような

そんな徒労感が静かに
蓄積されていきます。

楽しい子育ては
どこかにあったとしても

楽な子育ては
どこにもなさそうだと

子どもを導こうとする
心持ちから離れて
せつに感じています


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2014年5月11日日曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.173

作文と育児で
子どもと向かい
あっていると


ただひとつだけ
これができれば
それで大丈夫と
思えてしまう


子どもの姿があります。


子ども自身がつくる
また、つくった時間。


場所も含めると
子どもがつくる
そして、つくった環境に


じんわりと
満たされているような
子どもの姿です。


どんなに短い時間でも
小さな環境でもよく


さらに、そこを土台に
さまざまな連鎖を
起こそうとしている


子どもを見ると
ちょっと救われた
気持ちになります。


理屈でこの瞬間を
導き出せないのが

なんとももどかしい
ところです


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2014年5月10日土曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.172

作文で使う名詞と
育児での会話で織り込む
名詞に注目すると


子どもと大人とでは
名詞の存在そのものに
違いがあることに
気づかされます。


なに? 名詞に
こだわってどうするの?


と自身でも感じていましたが
子どもと実際に話すと

子どもと大人では
名詞が背負っている
ものが明らかに
違うのです。


例えば、固有名詞
「アンパンマン」。


大人にとっては
やなせたかしの
アニメであり
主人公の名です。


固有名詞の範囲を
そんなに外れません。


子どもにとって
「アンパンマン」は

複数形の抽象名詞に
近いものになっています。

「la douceur 甘さ」が
「les douceurs キャンディー」と

単数の抽象名詞が
複数形に変わると

おやつでお楽しみの
味覚となるようにです。

そこには反復の意味も
込められているように
感じられます。

一度、観せたDVDは
1回で「ハイ終わり」
ということはありません。

子どもは、大人が
びっくりするほど

なんども繰り返し
真剣に楽しみます。

子どもにとって
「アンパンマン」は

「楽しさ」の複数形に
近いものになっています。

作文と育児にまつわる
言葉は、かめば噛むほど
いろんな味わいが
出てくるなあと

最近、しみじみと
感じています


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2014年5月9日金曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.171

作文を楽しく書くための

育児に追われている
日々だからこそできる


練習を、ご紹介します。


占いの解釈を
つぶさに文章へと
変えていく練習です。


占いならなんでも
かまいません。


よいことが示されていたら
どんなによいことが
これから自分に起こるのか?

を、書き進めます。


この練習が本領発揮するのは
よいことではなく、悪いこと。


思わず目を背けたくなる
ご宣託が書かれていたら


あえて無視せず
自分の必要に従って
占いの言葉に解釈を
施していきます。


おみくじや占いで
思わしくない結果が出て

心のなかで必死に
よいことばを探し

少しでもよく解釈しようと
下を向き立ち止まりながら
行っている涙ぐましい努力を

作文にしていくのです。

自ら進んで読んだ言葉を
自分の言葉で一所懸命に
かみ砕いていく。

こう記すとさぞ難しい
ことのように
感じられますが

たぶんおそらく
占いに接している
多くの人が

心のなかで静かに
行っていることだと
思われます。

あらためて占いに対する
自分の反応を、文字で綴り
文章を重ねていくことで

占いの思わしくない
“予断”にメゲながらも

いつしか言葉を
慎重に扱っている
自分に気づくはずです。

話は飛びますが
作文で求められる体験談は

この練習で持てる文章力を
ちょこっとばかり洗練すると

かなりの完成度まで
ムリなく到達できると
思われます


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2014年5月8日木曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.170

作文で文章を
書き始めるとき


いきなり書き言葉が
浮かんでこないことが
往々にしてあります。


そんなときは
育児にはじまる
日々の生活で使っている


いつもの口ぐせから
文章をはじめてみます。


「そうなんだ」と思ったのは
息子がリレーの選手を決める
50メートルの話をしたときです。


こんな書出しから
文章を綴っていきます。


愛用の言葉があれば
繰り返し文章に
登場させます。

自身の場合は

「感覚がつかむ」
「感覚を大事に」
「まずは感覚から」と

「感覚」を愛用しています。

口ぐせや愛用の言葉は
あらためて冷静に使うと

自分が思った以上の
違う効力を発揮します。

お試しください


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2014年5月7日水曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.169

作文でも、育児でも
言葉と知識を活用して
向かい合っていきます。


この言葉と知識。
よくよく考えると


言葉は誰のものでもなく


知識はとても
非個性的なもので


だからこそ人の間を
よく伝播していく
ように思えます。


ここには風通しのよさが
あるように感じられます。


一方で、人に寄りかかった
言葉と知識があります。

当人の経験を重視してか
世間への喧伝を狙ってか

言っている書いている
「誰か」に重きを置いていく

言葉と知識の伝播です。

「誰か」に重きが置かれた
言葉と知識に取り囲まれると

やがて身動きが
とれなくなるときが
訪れます。

そうならないためには
人は自らの秘密を持ったまま
死んでいく生き物という

どこか覚めた視点が必要です。

作文でも育児でも

まずは誰のものとはわからない
よく使い込まれた言葉と知識から

活用することをオススメします


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2014年5月6日火曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.168

作文と育児が
同じ根っこをもつと
深く思いはじめたのは


3人の男児を
育てるようになり


旧約聖書の
イサクの燔祭で
アブラハムがつづける

言動が、理屈抜きで
感覚としてつかめるように
なってからです。


信仰告白のようですが
ユダヤ教徒でもイスラム教徒でも
キリスト教徒でもない自身が


物語の楽しみとして
フランス語の旧約を
読み始めて20年。


さまざまな解釈がある
イサクの燔祭でも


より宗教色の薄いといわれる
アブラハムにまつわる
応答可能性の解釈に


いまこの育児の環境で
はっとさせられています。


旧約聖書『創世記』22章
- Abraham est pret a offrir
Isaac en sacrifice-

第1節から19節にかけての
父アブラハムは、息子イサクの声
神の遣いの声にと、必ず応答します。

そのなかでも、理屈を超え
深く感じ入るしかない応答が

「神に捧げる子羊がないよ」
と問う息子イサクに向けた返答。

Mon fils,Dieu veillera
lui-meme a procurer l'agneau.

と、「いまそのまま」を
簡素に語り息子に応答します。

身に届く声に応答し
「いまそのまま」を
簡素に語り返答する。

短い3行ほどで
表せる行為ですが

理屈、感覚、習慣と
すべてに長じていても
とても十分に出来そうにない
応答の行為です。

翻って自身が
作文と育児の時間を
過ごすなかで

どこまで応答の行為に
近づくことができるか?

ひとり勝手に深淵な問に
向かっているところです


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2014年5月5日月曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.167

作文は、物事を
ちょっと噛みしめる
時間かもしれません。


育児はどちらかというと
日常をじっくりと口に含む
時間のように感じられます。


大人の都合にかまけて
何事も急かされていると


日々生じるさまざまな事柄を
素早く手軽に呑み込みがちで


お腹に痛さが生じてから
飲み込んだ事柄に
訴えかけられる


ということが起こります。


子どもは、放っておくと
自分が噛み締められる事柄を
すかさず口に含んで
じっくりと噛みつづけます。


大人には、それが
もどかしく、不合理に
感じられることもあります。


思い出してみれば

大人にも、子どものころに
何かを噛みつづけていた
そんな記憶がどこかに
あるはずです。

こどもの日に大人が
物事を噛みしめる
ちょっとした時間を

自身に設けてみるのも
いいかもしれません


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2014年5月4日日曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.166

作文で大事な会話文
育児の時間で交わされる
身近な大人と子どもの会話。


会話は第三者を
惹きつけるもので


出掛けた先で
見知らぬ親子の会話を
思いがけず耳にすると


素知らぬ顔して
そ~っとそばで
聞き入ってしまいます。

読書とテーブルゲームが
できる多目的室で、賑やかに
回り将棋を始めた娘と父。

どうも共通しているのは
母(妻)を待つ時間を
どうにかふたりでやり過ごす
という慣れない命題のよう。

娘さんの学童ルールと
父がもつ歴代ルールとが
空回りして、回らない
回り将棋になり口論。


あげく父、鼻水。

娘、我慢しなさい!

規則と運用の

すり合わせを
延々とつづけるも

いぜん回らぬ駒に

口だけ回る娘と父の

回り将棋。


背後の卓で交わされる

会話がぴたりと静まる。

娘、関係ないって言ったよ。

父、ぼそりと友だちなくすぞ。

もはやコレ以上は……と

静かにトイレに立った
多目的室の耳観戦です

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2014年5月3日土曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.165

作文を書くとき
育児で子どもと
過ごすとき


ともに見られる
じつはとても大事な
振舞いがあります。


当たり前すぎて
気づきにくい
焦点を合わすという
行為です。


例えば、動物園。
ライオンやゾウや
キリンにシマウマ


象徴的な動物を
子どもと一緒に観ると


大人と子どもの焦点の質に
違いが如実に現れて
ハッとするときがあります。


大人は、動物園で
すでにストーリーを
組み立て、焦点を合わす
要素を決めています。


ですので、もはや
ライオンは、手続き上の
焦点に過ぎなくなっています。


一方で、子どもは
動物園にストーリーはなく
自身の感覚を頼りに

「いまここ」で
焦点を合わせていきます。

いわばプロットの連続です。

謎と焦点が表裏一体の
時間を送っているのが
子どもたちといえます。

文章の得手不得手は
別として、大人と子ども

「動物園」という作文を
書いたらどちらが
面白い作品になるか?

子どもの焦点を活かせる
大人の焦点を、いっそう
工夫していかなければと

そう、考えています


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2014年5月2日金曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.164

作文の時間では―
ここに書いてあることは
やっぱり空想でしょう?


育児の時間では―
子どもが最近
ロケットに乗っている
空想に浸っているときが
けっこうあって……など


子どもはわりと日常的に
空想に身を任せます。


この子どもが空想している
ところを、よくよく
観察してみると


空想しているとき
子どもはとても
覚醒しているように

傍からは感じられます。


ことばが働きかけているのか
映像が働きかけているのか


とても自由な感覚を
しっかり享受している
そんな姿に見えます。


このような子どもが
もつだろう覚醒。

大人が文章を書くときも
作用しているのでは?

と最近、なんとなく
感じるときがあります。

「また、そんな絵空事を」
と、空想の内容を軽く
あしらうことはできますが

その絵空事が
人に働きかける

ことばや映像との
覚醒した交渉は

軽んじられないなと
そう感じています


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2014年5月1日木曜日

国語の学童 国語の健康診断vol.163

作文と育児に
関わることが多い
絵本について再び


絵本選びの基準は
自分の外側には
ないのでは?

と、思っています。


そもそも基準になるものが
まったくないのが
絵本のよさとも
日々、感じています。


選び方の基準に
似たようなものを
探すならば


絵本を手にとった
そのとき、その絵に
引き込まれる感覚。


それが基準といえば
そうとも言える
かもしれません。


例えがよくないかも
しれませんが

炭で焼かれている
焼き鳥のぷっくりとした
肉の姿と、炭に滴る
肉汁の音。

そして、なにより
鼻孔をくすぐる匂い。

さらに、焼きあがるまで
ひっくり返されるその
動きの連続。

焼き鳥の風景(画)を
五感で味わう
その感覚です。

焼き鳥と五感の交感。

そのまま絵本と五感の交感
としてもいいかもしれません。

というわけで

焼き鳥のうんちくを
きっちりと仕込まれてから
冷めた串をいただくのが
なんとも悲しいのと同様に

子どもに絵本を
しっかりと読み
聞かせるのは

美味しい瞬間をすべて
身近な大人がいただいて
しまうようで

なるべくしないように
と、心がけています


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